マンション管理状況調査

マンション再生

都内某区からマンションの管理状況調査の依頼がマンション管理士会経由で来る。
ここの所、連日。

小規模、管理組合の実態なし。永年に亘り、一人の手に管理が委ねられ、その人の考えの下に管理が進められていたマンション。

その人たちは別に他の区分所有者から委託料を受けていたわけではない。全くの善意から進めていたこと。管理費圧縮と長期的視野の欠如で、目先の修繕に追われながら、業務を進めてきた。他の区分所有者は煩わしいことは任せきり。

時がたてば、管理を担っていた人も年を取り、次の世代に移る。そのときに、実態が明らかになる。大規模修繕ができない。排水管の寿命で水漏れが発生しても、管の更新はできない。

次の世代はとんでもないものを背負わされることになる。

連日調査したマンションの実態。一つはその予備軍。もう一つのマンションはその果てで、相続人がただ同然で地元不動産屋に手放し、地元不動産屋の手で、マンション再建案として修繕費用の見積もりが出されたらしいが、他の区分所有者がその負担を拒否。

結局、地元不動産屋が他の区分所有者への買収が進められた。マンションは解体して、戸建て分譲されるらしい。

このように、不動産デベロッパーが入れるような案件であれば、管理不全マンションは結局のところ、発生はしない。でも、そんな良い条件のところばかりではない。

永年、再開発や建替え現場を担っていたころはわからなかったが、今、マンション調査をすると、そういったことができないマンションがいかに多いのかがわかってくる。

人任せの付けは次の世代が負わなければならない。今、日本のあらゆる問題の解決案は次の世代への付け回しである。オリンピック開催費用、コロナ禍の休業補償しかり。

若い人への批判をしながら、若い人の将来をつぶしていく、断崖の世代達。マンション再生問題は今の日本のあらゆる問題の縮図といえる。

そんなことを考え、再開発、建替えの機運があるところはどんなに恵まれていることなのかということをしっかりと伝えていくことは自分の仕事のひとつなのだと感じている。
そして、そんな話が出る可能性がないところについて、どのようにしたらよいのか本格的に考えなければならない

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