「マンション建替え」

マンション建替え

2020年7月から「マンション建替え」について、発信していきます。

  2003年から中堅ゼネコンの営業マンとして「マンション建替え」に関わってきました。30年以上、建設会社の営業マンでした。通常の客先ルート営業ではなく、区画整理事業の組成、社会福祉法人、再開発事業の組成と、煩わしくて、時間がかかるものばかりの営業案件を担当してきました。中堅ゼネコンなので、専用の部署があるわけではありません。前線の営業マンとして毎年のノルマも課されながらやってきました。我ながらよくやってきたと思います。今は、会社が変わり、純粋に「マンション建替え」をサポートする業務を本業とし、5年が経過しました。

 建設会社の営業と、今の「建設コンサルタント」業務には一貫しているのがあります。それは、建物を建設していくという行為に対し、自分なりに考え、悩み、試行錯誤していくということです。事業に関わった方々の意見を、ひとつの方向に向かうのをサポートしながら、建設というゴールへ地道に向かっていくということです。いわいる、紆余屈折しながら、『合意形成』を実践することです。そんな過去のことをふり返りながら、今、考えなくてはならないことを整理し、「マンション建替え」に関っている方へ、また、これから、関わろうとする方へ、発信し、発信することで、ご意見をいただきながら、自分を研鑽していければというという思いから始めました。

  • 現在の建替えの状況

今の「マンション建替え」は2003年当時と比較すると状況は全く違います。2003年当時に携わった案件は、建物が2倍以上になり、今現在住んでいるのと同じ面積を希望すれば、権利者の負担はありませんでした。さらに、建設期間中の仮住い費用までもが補填されたりしまいた。当時はそんな案件しか事業化されませんでした。それでも、「合意形成」はそれなりにたいへんだったと記憶しています。

 今は建物が2倍になるような案件は、ほぼありませんし、負担なしで実施しても、面積が半分になる等が、当たり前のようになっています。それでも、立地さえよければ、建替事業を成立する手立ては、なんとか、見い出すことができます。首都圏中心部のマンション価格が大きく高騰してきたことが起因しています。逆に郊外の団地で、建物が2、3倍の面積になったとしても事業協力者:デベロッパーが進出できず、事業化がむずかしい案件も多くなってきています。

 首都圏中心部のマンション価格が平均8000万円です。「マンション建替え」の負担が、たとえ2000~3000万円であったとしても、その金額で8000万円のマンションが購入できるということです。この首都圏に対するマンション需要が事業を成立させている要件といえます。実際、相談件数は確実に増えています。

  • 建替えの進め方

「建替え」を進めるためのスタート作業は次の①~④迄の作業が必要です。

① 現状確認

第1は現状を確認することです。案件によっては、建物を再建すると小さくなってしまう場合があります。小さくなってまで、「建替え」が進められるという判断はなかなか下せません。

  • 敷地面積と今の建物の延面積と専有延面積(今の建物規模)
    • 都市計画と地域地区(容積率)(可能な建設規模)
    • 付近のマンション価格(中古・新築)

② 耐震性の確認

  • 1982年以前に確認申請を実施した建物については耐震性能を確認する必要があります。耐震性能があれば、維持修繕の方向に進んでも間違いはありません。補強が必要ということなら、補強費用の確認をし、コンクリート強度が不足しているなら、建物をどこまで持たしていくのかの総意をとっていくことになります。

③補強、維持修繕費用と建替え費用の比較

補強費用の確認と「建替え」との費用を比較する過程が管理組合の判断を得るためには必要です。

④説明会、アンケートと個別意見の確認と方針決議

意見確認、方向性を管理組合で決めなければなりません。

 

 これらのプロセスが一般的には「建替え」をスタートさせるためには必要となってきます。

  • 今後の発信

「建替え」案件ごとに様々なケースがあります。一概には語ることはできません。

全国的に300件程度しか成功例がない中なので、極めてニッチな業界です。しかし、「建替え」に精通している経験者が少ないので俄然人手不足な業界でもあります。微力ながら「建替え」を進めようとしている人へ何から始めて、何をしなくてはならないのか。伝えていきたいと考えています。

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