敷地売却 2

敷地売却決議と2つの認可(組合設立、分配金取得計画)

 マンション敷地売却のプロセスの、敷地売却決議後の後半の解説です。売却決議のために耐震性不足と買受計画の2つの認定を経ることで、事業を確実なものにしてきたように、決議後は、敷地売却組合の設立認可と、分配金取得計画の認可の、2つの認可により同様に安定的に事業を進捗させます。

●マンション敷地売却決議

 ここまでの、耐震性不足の認定と、買受計画の認定を踏まえて、法定手続きであるマンション敷地売却決議を実施していきます。区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上の賛成で決議成立させます。下記に、決議までのプロセスを記載します。

非賛成者区分所有者への催告と売渡し請求

 マンション敷地売却決議により成立した後に、建替え事業と同様に参加するか否かの催告を行います。

不参加の回答もしくは無回答の組合員(非参加者)に対しては、敷地売却の参加者(と買受指定者)は、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すよう請求することが出来ます(建替法108条⑩)。

これも建替え事業と同様に形成権とされ、請求が到達した段階で売買契約が成立した効力が生じます。

●認可①:マンション敷地売却組合の設立認可

 マンションの敷地売却事業は、マンション敷地売却組合により実施されます。売却合意者5人以上が設立発起人となり、都道府県知事等に申請を行います。定款及び資金計画については売却合意者ならびにその議決権及び敷地利用権の持分価格の各4分の3以上の同意が必要になります。

●認可②:分配金取得計画の決定・認可

 従前マンションの権利がすべて、売却組合(売却合意者)で保有されると、売却組合は「分配金取得計画」を都道府県知事等へ認可申請します。その内容については敷地売却決議で定められた算定方法による分配金の算定のみなので議決権の過半数決議となります。組合は分配金取得手続き開始の登記を申請する必要があります。

●権利の取得、買受人への売却

組合がマンションと敷地の権利を取得

 権利消滅期日になりますと、権利が一斉に敷地売却組合へ移ります。

買受人にマンションと敷地を売却、組合の解散

 その後、組合から買受人へ、権利が移り、マンション敷地売却事業の完了により、組合は解散致します。その際、都道府県知事等の認可が必要になります。組合解散の認可の際は公告されます。

 買受人は買受計画に従い、買受けを実施する義務があり、正当な事由なく、実施されない場合は、都道府県知事等は、報告の徴収、勧告、及び公表が出来ます。

買受人により、マンションの除去、再建マンション等の建設

 買受人は買受計画に従い、従前マンションの除去の義務があり、正当な事由なく、実施されない場合は、都道府県知事等は、報告の徴収、勧告、及び公表が出来ます。また、同様に、買受人は買受計画に従い、代替建築物の提供・あっせん(再建マンション等の優先入居など)を実施する義務があり、正当な事由なく、実施されない場合は、都道府県知事等は、報告の徴収、勧告、及び公表が出来ます。

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