マンション内の管理人室や集会室は誰のものなのでしょう。1983年以降のマンションでは、階段、廊下、躯体と同様に共用部分として、マンション区分所有者のものとして、規約共用部分として、登記されています。
なぜ、わざわざ、そのようなことをしなければならないのかと言いますと、管理人室や集会室は、本来、構造上は専有部分として扱わなければいけないものだからです。専有部分は区分所有権の目的となってしまいます。
そこで、規約共用とすることで、それ自身が単独で売買などの権利移転の対象とはならなくなります。本来の専有部が売買などで権利が移転した場合には、区分所有権に付随して、法定共用部といっしょに、使用する権利が付随して移転されるということになります。
しかし、昭和58年以前は、規約共用部分の登記をする為には、分譲後に区分所有者全員一致の決議をし、さらに全員の印鑑証明書が必要であった為に、昭和58年以前のマンションでは、管理人室や集会所など、以下のような処理がなされていました。
1. 専有部として、区分所有者全員で所有(登記)
2. 専有部として、分譲業者が所有(登記)
3. 未登記
現在では、次のような問題が発生しています。
1. マンションの売買が発生したときに管理室の所有権の売買、移転登記を忘れてしまう。
2. 分譲業者の倒産等で管理室の権利移転が生じる等、争いが多発。
3. 権利保全するために管理組合法人を設立し、登記する
マンション建替えを進める場合は
1. 残された権利者を探索し、真正の権利者への移転に協力してもらう等の途方もない作業をしなければなりません。
2. 土地の使用権のない権利者です。建物を壊してしまえば権利はなくなりますので、まずは同意することはないので、交渉しなければなりません。
3. 管理人室を権利として評価するということになります(あまり意味はありませんが・・・)。
古いマンションを建て替えるということは、過去の区分所有法の歪を整理する側面がでてきます。それらが、合意形成を複雑にしてしまうことが多々あります。
ナカマーク
note: http://note.com/nakamark
blog: http://msaiseiblog.livedoor.blog
twitter http://twitter.com/nakamark
コメント