「再開発事業」の業務に携わっています。「再開発事業で損したという人には会ったことがない」確信をもったつぶやきを聞かされました。湾岸にお住いの、土地所有者の方です。周りにそのような方が大勢いらっしゃるのだと思います。うらやましい限りです。誰でもが「再開発事業地区」の中に権利を持てるわけではありません。一部の恵まれた方々だけに享受できる権利です。
享受できる特典は、
- 新しい建物の取得がほぼ無償
- 仮住まい補償
- 工事期間中の賃貸事業に対する減収補償
- 引っ越し等の移転費用の補償
- 営業補償
- 優遇価格で優先分譲が受けれる(販売価格よりは当然に安価)
- 煩わしい業務を再開発組合事務局が主体的に進めてくれる(特に借家人交渉)
「再開発事業」は都市計画事業です。主に駅近や街の中心部で展開されています。公共利用に供するということで、事業費の一部に関して地方公共団体から交付金を受けることができます。高度な空間利用が図れます。街づくりとして事業化されますので、「再開発事業地区」にお持ちの権利は確実に利便性がアップされ、資産性アップも確実です。
だから、権利者の反対なんかは、まず、ないだろうと考えますが、これがそうでもないのです。
「条件はそろったのか」「補償は決まったのか」と「再開発なんかできるわけない」「本当に再開発なんかできるのか」「まだ、どうなるかが、わからないものの話はしたくない」、「可能性が出てから来てくれ」、「今、環境を変えたくない」というような言葉や、まったく、反応してもらえない等の以下のような洗礼を受けます。
- 賛否が曖昧
- 攻撃的な応対
- 話し合い、協議に応じない、呼びかけに応じない
誰でもが、何かしら「再開発組合」に関わっていると、こうした反応に出会ってしまいます。これらのことから窺い知ることができるのは、
① 有利な条件を引き出そうと様子をみている
② 生活環境が一変することによる不安
③ 自分たちの意思以外で進捗していることへの不安
です。
これは、「再開発事業」が行政をも巻き込む、ビッグプロジェクトです。一部の人以外はどうしても自分たちで進めているという主体的イメージがとらえられません。受動的で、巻き込まれた事故のような感覚がどうしても先行してしまうということがあると思います。さらに、バブル期に横行した不動産会社が、「札束」をもって、「地上げ」していく様のイメージがまだ、色濃く残っています。不安感だけが先行し、我々のような「再開発」事業に関わっている人間が、胡散臭い人間に見えてしまいます。また、不動産会社相手だから個別の条件交渉が可能だという思い込み(※あくまで、事業の主体は再開発組合で、不動産会社ではない)から、強く、攻撃的になってしまいます。
我々は、決して怪しいものではありません。我々は再開発事業概要と進捗を皆さんのために伝えているだけです。皆さんの所有権や借地権は確実に利便性がアップされ、資産性もアップされますということを、もっと、上手くしっかりと、伝えることができればといつも常々考えます。
しかし、情報入手の窓口を閉ざしている方へ、それを開いていただく手立ては、
① 交友者の調査し、交友者の協力を得る
② 曜日、時間帯を変えながらの継続的なアプローチ
③ メリットをしっかりと伝える
等、あまり目新しいことがないのが、残念ですが、この3項目を地道に実施していくしかないというのが、今の結論です。もっと、新機軸がでてくればと願っています。
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中 正樹
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